環東シナ海環境資源研究センターは平成26年度より教育関係共同利用拠点として文部科学省から認定されました。 これは大学の枠を越えて, 各施設の特色を生かした教育研究活動を展開し, より質の高い教育を提供できるように創設された制度です。 期間は 2019 年 4 月 1 日から2024 年 3 月 31日まで, 「東シナ海における水産・海洋環境教育拠点 -海洋生物資源の持続的利用に向けた国際的フィールド教育―」として活動を進めていく予定です。
当センターの目の前には, 世界でも有数の海洋生物資源に恵まれた豊かな海域である「東シナ海」が広がっています。 この東シナ海を主なフィールドとして, 当センターでは海洋環境の変動とその影響を把握し, 環境の回復と保全, さらには生物資源の生産性と安全性の確保に向けた研究に取り組んでいます。
このような研究活動を背景に本海域を実習の場とした教育プログラムを提供し, 海洋環境の保全と水産生物資源の再生産に関するフィールド教育に貢献することを目指しています。
当センターでは多様な魅力を持ちながら環境や資源を守る必要がある極めて重要な海域で ある東シナ海を教育フィールドとし, 全国の大学生を対象とした臨海実習の実施や, 調査・研究活動の受け入れを行っています。
令和4年度は学部生・大学院生を対象に4つの公開臨海実習を予定しています。
当センターにおける共同利用実習および共同利用研究につきましても, ウィルス拡散の可能性と利用者の安全を考慮し, 当分の間, 施設利用と実習等の実施を見送ることと致しました。
詳細はPDFの通りです。(2020年4月4日更新)
東シナ海の生物・環境・水産海洋産業・人間とのかかわり・国際関係について 座学と実験を交えて, 東シナ海に関する文理融合的な基礎知識を身につけます。東シナ海を 総合的に捉えるための講義を実施し, 東シナ海の生物相, 漁獲物や資源の流通, 水産養殖, 水産加工品の製造に関する実習を行って東シナ海の歴史, 環境と生物の特徴, 利用について体験的に学習し, 東シナ海の将来について考えることを目指します。また日本および長崎の魚食文化をみつめ直し, 食育を考える機会として, この演習を提供します。
データ処理ソフトウエア R を用いて, 本ソフトの原理, 操作技術習得し, 統計解析・デ ータ解析技術を学びます。 本演習では データ処理・ 作図作業を中心に学習し ます。 フィールド で得られたデータを用い , 具体的な事象をあげながら講義を進めます。 また各自のデータの解析相談にも応じます。
データ処理ソフトウエア R を用いて, 本ソフトの原理, 操作技術習得し, 統計解析・デ ータ解析技術を学びます。 演習では データ処理・ 作図作業を中心に学習し ます。 ィールド で得られたデータを用い , 具体的な事象をあげながら講義を進めます。 た各自のデータの解析相談にも応じます。
東シナ海の海洋環境の理解と, 水産増養殖および海洋生物科学に関する基礎的知識を 習得することを目的としています。船舶を利用して海洋観測, 生物・底質の採集を行い, 海洋生物を 取り巻く海洋環境を理解すると共に解析方法と原理を学習します。また魚類標本を 用いた実習・増養殖の実態学習を実施し, 東シナ海の環境・資源・水産増養殖についての理解を深めます。
魚類増養殖における種苗生産の基本的な知識と技術について実験・実習を通して学習します。 魚類メスの卵黄形成・成熟誘導, 採卵方法, 卵質の評価方法等について実習を行い, 魚類繁殖生理学ならびに魚類増養殖技術の基礎を学ぶことを目的とします。体内の生理現象がホルモンによって 調節されていることや, 良質な卵を安定的に生産するための技術および増養殖の問題点などについて学習します。
なお本実習は4大学水産海洋実践教育ネットワークの活動の一環とし, 北海道大学にて実施予定の 「応用発生工学実習」と連携した実習として実施致します。 長崎大学では, 産卵親魚を用いて, 卵子や精子形成・その成熟を理解知るための実習を行います。
また, 人工授精により受精卵・仔魚を得ます。これに対して, 北大では, 得られた受精卵・仔魚を用いて, その後の胚発生に関する実習を行います。両者を履修することにより, 親魚から仔稚魚の確保まで, 一連の種苗生産過程を理解することができます。また, 長大では南方系の魚類を, 北大では北方系の魚類の観察ができます。
令和4年度 長崎大学 水産海洋環境学実習I(B日程) 北海道大学 応用発生工学実習 を受講された方は水産海洋実践教育ネットワークより「水産海洋フィールド教育プログラム受講修了証」を発行致します。 (下記 水産海洋水産海洋実践教育ネットワーク 参照)
また当センターでは各大学独自の実習や調査・研究も受け入れています。(対象:学部生および博士前期課程大学院生)
オーダーメイド型実習では各大学の教育目的やニーズをふまえ, 可能な限り希望に沿った実習を行う為, 利用大学と相談しながら実習内容を決定していきます。当センターのスタッフが講義・実習を提供することも可能で, 施設を有効に利用するためのサポートを行います。
長期滞在プログラムでは東シナ海・温帯~亜熱帯の海洋生物と環境を対象とした卒業論文・修士論文研究を受け入れます。 当センターには実験機器・飼育設備などの教育研究設備も充実しており, 研究指導を含めスタッフがバックアップ致しますのでお気軽にご相談ください。
公開臨海実習やセンターの利用について, 内容の詳細や申込みについては以下の問い合わせ先にご連絡ください。
本センターは水産実験所として, 京都大学, 広島大学に次ぐ3番目の教育関係共同利用拠点施設として認定されました。 拠点化された施設は, それぞれの研究フィールドの特徴と強みのある教育を実施すると共に, 他大学との連携を進めることによって, より多様で高度な教育を展開していくことが期待されています。
そこで当センターは広島大学大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター, 京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴実験所,北海道大学北方圏フィールド科学センター 七飯実験所・臼尻実験所・同洞爺実験所とともに「水産海洋実践教育ネットワーク」を構築し, 協力して公開実習を進めることを検討しています。
4大学において異なる水域を利用した教育を相互的に実施することによって, 日本各地で展開される水産業と水生生物を育む水圏環境を俯瞰的に理解できる研究 者・技術者の養成をめざし, これらの目的の達成に向けて,各臨海実験施設間の交流を深め,教育プログラムの開発,実習の援助, セミナーの開催等を協力関係 の下で推進することとしています。
水産海洋実践教育ネットワークでは提供プログラムを受講して頂いた方に, 各実習の受講証明とは別に修了証を授与致します。 4大学が実施する実習のうち 連携プログラムを受講 所属大学を含まない2大学以上のネットワー提供プログラムを受講 したが対象となります。 本年度の提供科目および連携プログラムの詳細はこちら。